糖尿病について

主な症状

糖尿病は初期に症状が出にくい病気です。以下のような症状に心当たりがあればご相談ください。

• のどの渇き・水をよく飲むようになった
• 尿の回数や量が増えた
• 疲れやすい、だるい
• 体重が急に減ってきた
• 足のしびれ、感覚の鈍さ（砂利の上を歩いているような感覚）
• 健診で血糖値やHbA1cが高いと言われた
• 家族に糖尿病の方がいる

糖尿病の診断

血糖値は日々変動するため、安定した指標としてHbA1cが使われます。HbA1cは過去1〜2か月の平均血糖を反映します。
診断基準は以下のとおりです。

• 空腹時血糖：126mg/dL以上
• 75gブドウ糖負荷試験 2時間値：200mg/dL以上
• 随時血糖：200mg/dL以上
• HbA1c：6.5%以上

これらを組み合わせて、糖尿病と診断します。

糖尿病の合併症

高血糖が続くと血管が傷つき、全身に合併症を起こします。

三大合併症（細い血管の障害）

大血管障害（太い血管の障害）

• 脳梗塞
• 心筋梗塞
• 閉塞性動脈硬化症

その他、歯周病や皮膚感染症も起こしやすくなります。

糖尿病の治療

糖尿病の治療は「生活習慣の改善」が基本です。
それでも改善しない場合に薬を使います。

食事療法

• 三大栄養素（炭水化物・たんぱく質・脂質）をバランス良く
• 食品交換表を活用して適正なカロリー管理
• 甘い物・炭水化物の摂りすぎに注意

運動療法

• 有酸素運動（ウォーキング、自転車、水泳など）を週150分以上
• 筋力トレーニング（腹筋・スクワットなど）を組み合わせると効果的
• ただし、合併症の有無で運動制限が必要な場合あり → 医師に確認

薬物療法

• 食事・運動で不十分なときに開始
• 内服薬（DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬など）
• インスリン注射（1型糖尿病や進行例）

糖尿病療養指導（自己管理のサポート）

糖尿病は「自分で管理していく病気」です。
当院では以下の療養指導を行っています。

• 病気と検査の説明
• 食事・運動・薬の正しい方法
• インスリン自己注射の練習
• 血糖自己測定の仕方
• 低血糖・体調不良時（シックデイ）の対応
• 生活全般の注意点や相談

まとめ

• 糖尿病は初期症状が少なく、気づかないうちに進行する病気です
• 放置すると失明・透析・心筋梗塞・足の切断など重い合併症を引き起こします
• 「食事」「運動」「薬物」の3本柱で血糖をコントロールしていくことが肝要です
• 早期発見と継続的な自己管理が何より大切です