食欲不振とは、食べたいと思わない、食事量が減る、食べても満足感が得られないといった状態を指します。単なる一時的な体調不良やストレスによるものもありますが、長引く食欲不振は、体のバランスの乱れや病気のサインであることも多く、放置すると栄養不足や体力低下、免疫力低下につながる可能性があります。
現代社会では、生活習慣の乱れやストレス、睡眠不足、過労などが原因になることがよくあります。
消化器内科では、胃や腸、肝臓・胆のう・すい臓などの消化器疾患を背景にした食欲不振が疑われることがあります。例えば、慢性胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎、肝機能障害、胆石、すい炎、さらには胃がんや大腸がんといった重大な病気でも食欲低下が見られます。
一方で、漢方内科では「脾胃(消化吸収を司る臓腑)」の働きや体質を重視します。脾胃が弱ると食欲が低下し、気や血の不足につながることがあります。また、体内の水分や老廃物が滞る「湿邪」が影響することもあり、体質に応じた漢方処方で改善を目指します。
