インフルエンザが流行する季節に
受験生にこそおすすめしたい「フルミスト」という選択肢

こんにちは、小林内科医院です。
今年はインフルエンザの流行が早く、学校やご家庭でも体調を崩す方が目立ってきました。例年よりも季節の動きが早いため、しっかりとした予防がより大切になってきています。
そこで当院がこの季節に特におすすめしているのが、
鼻から吸うタイプのインフルエンザワクチン「フルミスト」 です。
注射とは違い、痛みがなく、そして“鼻で効く”という特徴を持っています。
特に 受験シーズンのお子さん との相性がとても良いワクチンです。
今回は、フルミストがなぜ効果的なのか、わかりやすく解説していきます。

■ フルミストは「生ワクチン」——でも安全性はとても高い
フルミストは 生ワクチン に分類されます。
「生」と聞くと不安に感じる方もいますが、安全性はしっかり確立されています。
その理由は、使用されているウイルスが
低温でしか増えないよう弱めてある（低温馴化）
体の奥の体温（37〜39℃）では増えない（温度感受性）
症状を起こさない力にまで弱毒化されている
からです。
つまり、ウイルスは 鼻や喉（温度が低め）でだけ少し増えて免疫を刺激し、体の奥では増えないように設計されています。
→ 自然感染に近い免疫がつく
実際に鼻の粘膜で少し増えることで、
本来インフルエンザに出合った時と同じような免疫の立ち上がりが起こります。
粘膜での免疫（IgA）
全身の抗体（IgG）
細胞性免疫
これらがしっかり動くため、
「感染そのものを防ぐ力」 が得られやすいのが大きな特徴です。

■ 受験シーズンに強い理由
◎ 痛くない。すぐ終わる。ストレスゼロ。
受験勉強で疲れが溜まりやすいこの時期、「痛い注射」はなるべく避けたいもの。
フルミストは 鼻にシュッとするだけ なので、小学生から高校生まで非常に受けやすいワクチンです。
◎ 粘膜免疫で“かかりにくい”を目指せる
インフルエンザはまず 鼻の粘膜 に感染します。
そこに直接免疫をつくるフルミストは、
人が多い環境で生活する受験生にとてもマッチしています。
◎ 効果が長く続く
鼻で免疫がつくことで、1シーズンを通して効果が持続しやすいと言われています。

■ 2〜18歳が適応。まさに受験世代のためのワクチン
フルミストの対象年齢は 2〜18歳。
小学生・中学生・高校生……受験生の中心世代がそのまま適応に含まれています。

■ 国内でも効果が確認されています（スライド内容のやさしい説明）
最新の国内成績では、
経鼻ワクチンの有効率は約56％（2024/25シーズン） と報告されており、
注射ワクチンと同等、または状況によっては上回ることもあります。
特に A型インフルエンザ（H1N1・H3N2） に対してしっかり効果が確認されています。
また、イギリスでは
小児：70〜75％（主に経鼻ワクチン）
成人：30〜40％
という報告もあり、
世界的に「子どもには経鼻ワクチンがよく効く」傾向 がはっきりしています。

■ 生ワクチンならではの大切な注意点

① 接種後1〜2週間は、鼻の中でワクチンウイルスが活動している
弱毒化されているので本人に害はありません。
むしろこの期間、粘膜免疫をしっかりつくっている状態です。
② この間、ウイルスが鼻から少量排出されることがある
健康な人には全く問題ありませんが、
免疫が極端に弱っている方にとっては注意が必要 です。
③ 周囲に妊婦さん・免疫不全の方がいる場合
接種後1〜2週間は距離が近い接触（顔を近づける・抱きつく）は避ける
家族の手洗いをいつもより丁寧に
同居の妊婦さんはほとんど問題ありませんが、念のため濃厚接触は控えめに
これはスライドでも強調されていた部分で、
普段の生活を少し工夫するだけで十分対応できます。
④ NSAIDsはできれば避ける
発熱が起きることは少ないですが、万が一の時は
カロナール（アセトアミノフェン）を優先します。

■ 副反応は？

鼻水・鼻づまり：よくある（6割）
軽い咳・頭痛：ときどき（1割以上）
数日で改善
“軽い風邪みたい” という声が多いですが、ほとんど心配いりません。

■ まとめ——受験生の「かかりにくさ」を守るために
インフルエンザは、一度かかるだけで受験勉強のリズムが崩れてしまい、
本番直前なら大きな不安につながります。
フルミストは、
痛みなし
粘膜でしっかり免疫
受験生との相性が抜群
国内外でも高い効果が確認
シーズン1回でOK
という“強みのそろったワクチン”です。
ご家庭の状況（妊婦さんや免疫不全の方の有無）に応じて、
注射ワクチンとの比較も含め、どちらが最適か一緒に考えます。
どうぞお気軽にご相談ください。