肺炎球菌ワクチンは「どれを選ぶか」で差が出ます|新百合ヶ丘の内科・消化器内科・漢方内科|小林内科医院|土日診療

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肺炎球菌ワクチンは「どれを選ぶか」で差が出ます

肺炎球菌ワクチンは「どれを選ぶか」で差が出ます|新百合ヶ丘の内科・消化器内科・漢方内科|小林内科医院|土日診療

2025年12月16日



― 新しい21価結合型ワクチン「キャップバックス」とニューモバックスNPを正しく比較する ―


こんにちは、小林内科医院です。
今回は 肺炎球菌ワクチン について、少し踏み込んだお話をします。


「65歳になったので勧められた」
「昔、ニューモバックスは打ったことがある」
「最近、新しいワクチンが出たと聞いたけれど、本当に必要?」


外来で、こうした質問を受ける機会が増えています。


2025年に登場した
21価肺炎球菌結合型ワクチン(商品名:キャップバックス) により、
肺炎球菌ワクチンの考え方は大きく変わりました。


一方で、これまで広く使われてきた
23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(ニューモバックスNP)
も、現在も使われています。


今回はこの2つを比較しながら、
「今、どのワクチンをどう考えるべきか」
を整理してお伝えします。


そもそも肺炎球菌は、なぜ問題になるのか

肺炎球菌は、私たちの身近に存在する細菌です。
健康な人の鼻や喉に一時的に存在することもあり、
必ずしも「感染=発病」ではありません。


しかし、

加齢
体力の低下
糖尿病、心臓病、肺の病気、腎臓病などの基礎疾患
免疫力の低下

が重なると、肺炎球菌は一気に危険な存在になります。


肺炎球菌が引き起こす病気

肺炎
中耳炎
副鼻腔炎
菌血症
髄膜炎

特に重症なのが
侵襲性肺炎球菌感染症(IPD) です。


これは、肺炎球菌が血液や髄液に侵入することで起こり、
敗血症や髄膜炎など、命に関わる病態を引き起こします。


年齢と基礎疾患で、リスクは大きく変わる

肺炎球菌感染症の発症率は、
65歳以上で急激に上昇することが知られています。


さらに重要なのが、基礎疾患の数です。

基礎疾患なし:基準
1つある:リスク約1.3倍
2つ以上ある:リスク約2.7倍


つまり、
「年齢」と「持病」が重なるほど、肺炎球菌は身近な危険になる
ということです。


これまでの主役:ニューモバックスNPとは

ニューモバックスNPは、
**23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)**です。


ニューモバックスの特徴

23種類の血清型を含む
長年使われてきた実績がある
定期接種として公費で接種できる


かつては
「23価とカバーする型が多い」
「5年後に再接種できる」
といった点がメリットとして語られてきました。


しかし、現在の位置づけは少し変わっています。


ニューモバックスの現在の立ち位置

現在、ニューモバックスの最大のメリットは、


公費で接種でき、自己負担が少ないこと

と言ってよいと思います。


一方で、

免疫記憶が作られにくい
効果が時間とともに低下しやすい
高齢者や免疫低下状態では反応が弱くなりやすい

といった特性があります。


また、以前は推奨されていた「5年後の再接種」についても、
現在は原則として推奨されていません。


つまり、

「すでにニューモバックスを打った方が、
5年後にもう一度ニューモバックスを打つ」


という考え方は、
今のガイドラインでは基本的な選択肢ではなくなっています。


血清型の「数」より「質」が重要な時代へ

「23価のほうが、21価より多いのでは?」
そう感じる方もいると思います。

しかし、ワクチンは
血清型の数が多ければ良い、というものではありません。


小児の肺炎球菌ワクチンが普及した結果、

小児由来の血清型は減少
成人特有の血清型が相対的に増加

しています。

重要なのは、
**「今の成人で、実際に重症感染を起こしている血清型を
どれだけ押さえているか」**です。


キャップバックスとは何が違うのか

キャップバックスは
**21価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV21)**です。


最大の特徴は、
**「結合型ワクチン」**であることです。


結合型ワクチンの強み

免疫記憶がしっかり形成される
高齢者でも安定した抗体産生が期待できる
効果の持続が期待できる


キャップバックスは、
成人の侵襲性肺炎球菌感染症や肺炎の原因として
頻度の高い血清型を厳選して含んでいます。


「21価でも十分に意味がある」
どころか、
今の成人に最適化された構成と言えます。


有効性と安全性について

国内外の臨床試験により、

肺炎球菌感染症に対する免疫原性
侵襲性肺炎球菌感染症への予防効果
安全性

が確認されています。

副反応としては、

注射部位の痛み
腫れ
一時的な発熱、倦怠感

などが報告されていますが、
多くは軽度で数日以内に改善します。

重篤な副反応は非常に稀です。


価格について

キャップバックスは
自費診療で15,000円となります。


決して安い金額ではなく、
「ワクチンにそこまでかける必要があるのか」と感じる方も
いらっしゃると思います。

一方で、肺炎は、
入院が必要になることがある
治療後も体力低下が長く続くことがある
生活の質に影響を及ぼすことがある

といった側面を持つ病気です。

そうした背景を踏まえ、
より確実な予防効果や免疫の持続性を重視するかどうかは、
年齢や基礎疾患、生活状況によって考え方が分かれる部分です。


当院では、
「高いか安いか」ではなく、
「ご自身にとって納得できる選択かどうか」
を大切にしていただきたいと考えています。

ニューモバックスとキャップバックス、どう選ぶ?

整理すると、次のようになります。

ニューモバックス

公費で接種でき、費用負担が少ない
「まず何かを打つ」入口としての役割

キャップバックス

免疫の質と持続性を重視
高齢者、基礎疾患をお持ちの方に特に適している
成人の肺炎球菌感染症に最適化された構成

より確実に、より長く守りたい方には、
キャップバックスは有力な選択肢の一つと言えるでしょう。


最後に:元気な今だからこそ

肺炎球菌ワクチンは、
「体調が悪くなってから打つワクチン」ではありません。

元気なうちに打つからこそ、意味があります。

小林内科医院では、

年齢
基礎疾患
これまでの接種歴

を踏まえ、
その方に合ったワクチン選択を一緒に考えます。

「自分はどれがいいのか分からない」
そんな時は、ぜひお気軽にご相談ください。

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